だから何ですか?Ⅲ
「・・・・あんた、本当にどうしたの?」
「・・・・・」
「もともと仕事にのめり込んで夢中になるタイプだったけど、こんな風に自分追いこんで壊れる程無理する奴じゃなかったでしょ?」
「・・・・・うるせぇよ・・」
「寝たくないって・・・逆に眠りたくない理由でもあるんじゃないの?」
「・・・・・」
そうだよ。
眠りたくなかったんだよ・・・あのベッドで。
眠るのが恐かったんだよ・・・見る夢は分かっているから。
「別に・・・こんな明るい内から眠れるわけねぇってだけだよ」
深い意味なんてない。
そう言い払って雛の手も離すと全てが面倒だとソファに身を投げ出し息を吐く。
そんな俺にあからさまな溜め息を響かせた雛はそれ以上を追及せずにキッチンに入り込んだ。
そんな直後に響く、
「ヤダッ、あんた冷蔵庫の電気代超無駄!水と炭酸水しか入ってないじゃない!あ、あとビール?もう、一体どんな生活してるわけ!?」
「はぁぁぁぁ~~、」
信じらんない~。と全力で咎めるような声が耳に届いて煩わしい。
自分の馴染んだ空間に馴染まない奴がいるって結構ストレスだよな。なんてことを思い、まったく休まらない感覚に顔を手で覆って再びの溜め息を響かせた。