once again〜season2〜
蓮さんに、いつから意識していたか?と聞かれて返答に困ってしまった私。

はっきり、ここだ!と言えるものがあったのだろうか?
よく考えてみた。

やっぱりダメ…
気がついたら、いつの間にか好きになってたのよね。うん、そう。

「いつ、ってはっきりしたものはないかな…。気がついたら好きになってた…」

ボソっと言った私を黙って見ていた蓮さんが、急に私を抱きしめた。

「え?え?な、なに?」

「涼香!その答え…一番嬉しいよ」

「あ、そ、そうなの?ダメなのか思ったわ…」

「俺も似たような感じかもしれないのに、こんな事聞いてごめん…」

蓮さんは、聞いてはいかなかった事のように話し始めた。

でも蓮さんに、そうやってあらためて聞かれるまで、意識してなかったかもしれない。
蓮さん自身、きっと結婚式で絶対聞かれるであろう、馴れ初めとやらの事を気にしていたから、いつ?と思ったようだった。

でも、私もよく考えて見ても、いつ?なんだろう…

秘書課に異動よ、と美玲から聞かされて、部長から内示が出て…嫌々来た秘書課だっただけに、専務専属と聞かされて、この世の果てだと思ったぐらいだったもんね。

今となっては、あの時はごめんなさい、蓮さん。って感じよね…室長も最悪だったし…。

だけど、あの時は本当にひどかった…そう、異動した次の日…
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