once again〜season2〜

「は、はい。出席させていただきます」

「ありがとう。じゃ、服用意するから、向こうの控室で着替えしてもらえるかしら?」

「はい、では失礼いたします」

さすが、そこは執事の葛城さん。きちんとお辞儀をして部屋から出て行った。

「よかったね。有里華、葛城さんと仲良く出席してね。美玲も室長と出席するから」

「え?ブライズメイドの話は?」

「そんなの嘘に決まってるじゃない。ね?瑠璃」

「ええ、そうよ。樹里も助かったわ」

私から話を振られた瑠璃も、笑顔で有里華に伝えた。

「お嬢様でも恋愛する権利はあるんだから、葛城さんだっけ?仲良く出席してね。あ、もし出ないって言ったら、流星を紹介してあげるわよ、ふふふ」

「それ、いいわね!瑠璃」

樹里さんも一緒になって、笑っていた。

そして、アッシャーではない、スーツを着た葛城さんが控室から出てきた。

「これ…」

「さ、葛城さん。有里華と一緒に出席して下さいね。お祝いして下さいね」

何か言いたげな葛城さんに、笑顔でそう言うと、何かを感じ取ったのか、笑いながら

「さすが、涼香様ですね。この私が騙されるなんて…分かりました。ご結婚おめでとうございます」

「ありがとう」

葛城さんの横で何がどうなっているのか、まだ分かっていない有里華は、え?え?と戸惑っていた。
そして、状況が理解できたのか、涙を流していた。

「有里華…化粧取れるよ。泣かなくていいから」

優しく涙を拭いながら、普通の男性として有里華に、触れる葛城さんを見て嬉しくなった。

「涼香、よかったね」

「美玲もでしょ?さっき室長が探してたよ」

「え、そうなの?じゃ、私行くね?」

「うん、ありがと」

控室には、私と瑠璃だけになった。
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