once again〜season2〜

「涼香、もうすぐだね」

「うん。ドキドキしてきたな…」

「 私も…色々あったけど、幸せになろうね!」

「うん!」

コンコン

「はい」

瑠璃が返事を返した。
扉が開いた。

「高瀬瑠璃様、涼香様、ご準備よろしいでしょうか?」

「はい」
「はい」

係員についていった私達は、教会の入り口に来ていた。

「瑠璃、涼香…綺麗だよ」

「お父さん…」
「お父さん」

ありがとう…これまで育ててくれてありがとうと言いたいのに、それ以上何も言えないでいた。

準備は出来ているようで、音楽が鳴ったら始まります。新郎がいるところまで歩いて言って下さいと言われた。

そして、父を挟んで私と瑠璃は教会の入り口に立った。
背筋を伸ばし、前を見た。その先に蓮さんが、瑠璃の視線の先には怜さんがいた。
私達は新しい第一歩を踏み出した。

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