once again〜season2〜
「っ、それは…」

「葛城さん、今から行こうとしてたんですよ。美玲さんとね。やっぱり外まで漏れてますか?」

私が返事に困っていると、匠さんが答えてくれた。

「私が知ってるのは、そんなに細かいことではないんですが…、話題にはなってますね。大手ですからね、長峰堂は。しかも有里華の幼馴染のご両親の会社でもありますから、自然と耳に入れば情報を集めますよ」

しれっと、有里華を『有里華お嬢様』とは言わず、呼び捨てにした時の慎二さんの顔に、私は今まで見た事のない男の人を感じていた。

「佐伯社長には、如月社長の結婚式までは待ってほしいとお願いしていたんですよ。まさか、話が漏れているとは…」

「話って…匠さんが長峰堂に行く話?」

「えぇ、跡取りになると、もっぱらの噂というか、結構広まってるらしいですよ」

「そ、そんな…」

肩を落とす私に寄り添った匠さんが、大丈夫だからと、言ってくれた。

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