once again〜season2〜
「美玲大丈夫なの？」

「うん、大丈夫。この話は、落ち着いたら発表するはずだったんだけどね、変な話にならないように。でも、噂話になっちゃうと、変に勘ぐられるでしょう？だから、発表まで漏れないように、ってしてたのにな…」

「仕方ないですね、長峰堂は大手企業ですから。経済界では、跡を誰が継ぐのか…そんな事は誰もが興味があるでしょう。実際、涼香さんのSEIWADOも大騒ぎだったじゃないですか」

慎二さんの言う事も分かる。
芸能人ではないから、日常的に噂の的になるなんてないけれど、跡取り問題に関しては、株式にも影響してくる。
それを操作する人間だって出てくる事も。

「とりあえず、私達は長峰堂に向かいますので。この辺で失礼します。有里華さん、葛城さんお二人はごゆっくりと」

そう言うと、私の腰に手を当て匠さんが私をエスコートしてくれた。

「またゆっくりお話聞かせてください。失礼します」

慎二さんもまた、同じように私達挨拶してきた。
これは執事モードが完全に抜けてない事を示していた。

「有里華、ごめんね。ゆっくりデートして」

「また電話して！」

話らしい話も出来ず、私は匠さんに促されるまま駐車場に向かった。

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