once again〜season2〜
「あの人、秘書にしとくのにはもったいない、って話だもんね」

「そうだと思うよ。あの人やり手だよ」

2人で頷き合っていた。


まさか、それがこんなにも深く関わり合うなんて、この時は私も涼香も想像だにしていなかった。

涼香が蓮さんと付き合っていると言うことを聞いた私は、驚いたけれど、嬉しかった。
いつも隠れるように過ごしていた涼香が、幸せになれるのなら、って。

だけど、結婚が決まった時、何故だか分からないけど、匠さんに送ってもらう事になった。
そう、あれから私…匠さんと。



「なんだか、すみません。送ってもらって…」

「いや、蓮に頼まれたら断れないしね。女性をあんな時間に1人で帰す訳にはいかないから」

氷室室長は、前を向いたままハンドルを握っていた。

私はその横顔を見つめていた。

やっぱりカッコいいな、この人。
如月専務もカッコいいけど、この人は色気があるよな。
涼香もよくこんな人とまともに仕事が出来るわよね…

「…そんなに見られると穴が開きそうなんだけど?」

不意に話しかけられ、私はびっくりしてしまった。

「ひゃあ」

慌てて口を押さえたけれど、間に合わず。氷室室長は笑いを堪えていた。

「ククッ、高瀬も面白いけど佐伯、君も変わってるね」

「いや、あ、あの…」

何、この人。
ダメでしょ!
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