once again〜season2〜
「珍しいね。佐伯、君が即答してくれるなんて」

目の前には氷室さん。
私は、仕事が終わって、氷室さんと食事に来ていた。

「…っ、自分でも驚いてます」

「ふふ、俺としては嬉しいんだけどね」

相変わらず氷室さんは、ズルい。
駆け引きなのか、それとも素なのか…

「答えを期待してもいいって事かな?」

「氷室さん…本気になっていいかと言いましたよね」

「あぁ、言ったよ」

「それって…最初はそうではなかったって事ですか?」

「…っ」

氷室さんが一瞬息を飲んだのが分かった。
やっぱり…最初はそうじゃなかったんだ。そう思った。

「やっぱり、君は他の人とは違うね」

「え?」

「俺が本気になっていいか…言ったのは、佐伯に本気になる事を認めてほしかったから言ったんだよ。その前から勝手に俺は本気になってたからね」

認めてほしい?
何を言ってるの?好きになるのに、認めるも…何も。

「認めるも何も?って顔してるけど、本気になっていいか…いや、付き合ってほしいって言いたかったんだよ」

「え…」

顔を上げると、目の前に、顔を赤くした氷室さんがいた。
< 195 / 260 >

この作品をシェア

pagetop