once again〜season2〜
「もしもし?美玲?どうしたの?」
幼馴染の美玲からだった。
「どうしたの?じゃないわよ。昨日、電話するって言ってたの有里華でしょ!」
「あー!ごめん。忘れてた…」
美玲に連絡すると自分で言ってたくせに、すっかり忘れていた事を、美玲から言われて思い出した。
「やっばり。だと、思ったけどさ。あんたの悪い癖だよ、気つけなよ。葛城にまた怒られるわよ」
電話口から美玲のため息と共に、葛城に、と言われて顔が赤くなるのが分かった。
「っ…もう。言わないでよ。それでさ、昨日ね…」
話ししたい事を話し終えると、離れていて葛城がいつのまにか真後ろに立っていた。
「な、なに?」
「遅いので、なにかあったのかと」
「美玲と話してたのよ。もう終わったから、じゃ、帰りましょ。車回して」
「畏まりました。ここでお待ちいただけますか?」
そう言うと、葛城は駐車場に歩いて行った。
「ね、ね、あの人めっちゃカッコよくない?何、もしかして、執事ってやつ?初めて見たよ!」
「すごいよね!羨ましいなぁ、あんなイケメンがずっと傍にいるんだよ!」
執事服を完璧に着こなしている葛城は、ただでさえ目立つ存在なのに、顔がイケメンという事もあり、周りからの注目をさらに集めていた。