once again〜season2〜
そう、私には親が決めた許嫁がいる。
家同士の、昔で言う政略結婚。

相手は、香那流の次男の香田達也さん。
婿養子になる事も決まっている。


先日、達也さんとお見合いをした。
この事は、美玲も涼香も知らない。

逃げられない。

これが私の運命だから。


ガチャ


「さ、葛城、行きましょう」

「はい、畏まりました」

いつもそつなく、隙のない動きで事を済ませていく。

あなたは、執事としては完璧よ。でも人としてはどうなのかな。
あなた、好きな人はいるの?
付き合ってる人はいるの?

聞いても返ってはこない、その背中を見つめていた。

「有里華お嬢様…」

「っ…、な、何?急にびっくりするじゃない」

見つめていた事がバレたのかと思った。
葛城が急に振り返った。

「先日のお見合いの事ですが…」

めずらしく話にくそうにしながら、私の様子を伺う葛城を見て、もしかして?と心が動いた。

「美玲様、高瀬様には伝えたのですか?」

「え?美玲達?」

なんだ、そんな事…

「…っ、別にいいんじゃない?好きで結婚決めた訳じゃないんだから、わざわざ言う必要ある?」

反対でもしてくれるのか、と抱いた期待も見事に散った。

気がつけば、私は葛城にきつく当たっていた。





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