once again〜season2〜
行きましょうと腕を掴まれ、車に乗せられた私。

普通なら、
「主人に向かって何するの!」
と激怒する所だけれど、いつにもない行動に私の頭はついて行ってなかった。

…と言うよりも、葛城の態度が少しうれしくもあった。
いつも私の為に、と何かと動いてくれている葛城だけれど、怒った所なんて見た事がなかったから。
まして、私の事が原因でなんて…なかったから。

少しは私と言う人間がいる事に気付いてくれているのか?そう思って私は嬉しかったのだ。

「か、葛城…?」

恐る恐る車を運転する葛城に声をかけた。

バックミラー越しに、葛城は言った。

「私とした事が、お嬢様に対して無礼な物言い申し訳ござません。旦那様に御報告していただいても結構です。それで何か処分があるのであれば、私は何も言う事はございません。たとえ、有里華お嬢様の担当を外されたとしても」

「え?」

聞き直しても同じ事を言うだけだった。

私の望みはもろとも崩れた。

期待しただけ無駄だったのか…

「有里華お嬢様?」

話しかけられても上の空だった。

つまらない…

私は美玲に電話をかけていた。

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