once again〜season2〜
達也さんとデート…

嘘…
服なんてなんでもいい。

好きでもない人と会う為に、服なんてどうでも良かった。

「そう…ですか。では、これはいかがですか?これなら…」

葛城が、鏡に映った私と服を交互に合わせていた。あなたは、そんなに真剣に選ぶんだね。
私が、他の男の人と会う為に着ていく服を。

鏡を通して、葛城と目が合った。

「ありがとう。これでいいわ。着替えるから出てて」

抑揚のない目。
この人には、私は仕えているお嬢様にしか見えていない。いつもと変わらない葛城がそこにいた?

私も使用人として見なきゃいけない。

葛城から服をとると、ドアを激しく閉めた。

閉めたドアを背にもたれかかった私は、声を殺して泣いた。

諦めなきゃ…

「うっ…バイバイ。私の初恋…っ」
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