once again〜season2〜
「今日はいい天気ですね…有里華さん」

「え、えぇ…ほんとに」

葛城に選んでもらった服を着て、私は婚約者である達也さんとデートしていた。

お互い、先日お見合いをして初めて会った相手だけに、変な空気が流れていた。

こんなんで…結婚なんて出来るのかしら。

葛城には、ついてくるな、と釘を刺し、2人っきりで会っていた。でも…葛城以外の男の人の運転する車になんて…初めてで緊張していた。

「ここで休んでいきませんか?」

「えっ?こ、ここっ?」

いきなり休んで行こう、と言われ顔を上げた私は驚いた。ホ…ホテル?

え、そ、そう言う事?

戸惑う私に気がついたのか、慌てて達也さんは付け加えた。

「あ、あぁ!ち、違いますよ。ここのカフェ有名なんですよ。落ち着かないんで、コーヒーでも…って」

運転しながら、顔を赤くしながら、めいっぱい否定する達也さんに私は笑ってしまった。

「っ…ぷっ…」

「あ、いや…参ったな…。なんて言ったら…」

「ごめんなさい。私が固まってたから…ですよね。笑ってしまうなんて…」

「いや…なんか恥ずかしいけど…ま、いっか。とりあえず、行きますね」

「はい」

笑いをこらえ、達也さんを盗み見した。

悪い人じゃないのかも。
この人だったら…好きになれる?



私は知らなかった…この時、達也さんが何かを考えていた事を。
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