once again〜season2〜
「有里華お嬢様に入って不釣り合いです。お似合いなのは、この私です」

「葛城!…っ、あれ?」

目が覚めるとそこはいつもの私の部屋だった。

映画で見た、『卒業』ばりに私を教会から連れ出そうとしてくれた葛城もいなくて…外はまだ真っ暗だった。

「なんだ…夢か…」

夢だと気がつき、落胆した。

「まさかね…真面目が服着て歩いてるような人が、私を連れ去ったりなんかしないわね。ましてや、父を裏切るなんてね…」

ため息をついて、私はもう一度布団の中に潜り込んだ。
せめて夢の中だけでも、葛城と居られるなら…と。
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