once again〜season2〜
「好きなら好きだって言え言えばいいじゃん!」

何をそんなえらそうに言えるのか。
もう1人のわたしがいたら、今の私にそう突っ込んだだろう。

まさしく、好きだと言えなくて悶々としているのだから。

それに、家柄がどうとか関係ない!私は言う時は言うよ!だなんて。笑っちゃう。
言えずに婚約したのは誰なのよ!って。

でも、そんな私に涼香は言った。

「あなた…葛城さんが好きなんでしょう?」

美玲だって気がついてなかったのに。

「涼香、自分の事は見えてないのね。人の事は分かるんだね」

美玲に言われて、涼香もほんとそう、って笑ってた。

それから時間を忘れて私達は話した。

日付が変わろうとした時、

「有里華、今日は帰りな。葛城さん待ってるでしょ。さすがに泊まらせるってのは、葛城さんの中にはないと思うから」

「あ、そうだね…。きっとダメです!って言われるわ。ありがと、また話してね。いつでも大丈夫だから」

「うん、ありがと。美玲も有里華も、ほんとありがとね。感謝してるよ」

私の方こそ、感謝してるよ、涼香。

涼香は、下まで送るからと美玲に部屋で待ってもらって、私を葛城のいる駐車場まで連れて行ってくれた。

「ね、有里華。今度ゆっくり聞くね。葛城さんとの事」

「ありがと、涼香。私のは完全なる片思いだけどね」

「え?片思い?あ、有里華…それは、ちが…」

「有里華お嬢様…少し甘い顔をすると、門限破りですか…」

マンションから出た私達の目の前に、葛城が立っていた。
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