once again〜season2〜
「なんですって!涼香と話してたんじゃない!親友が困ってるのも関わっちゃいけないって言うの!」
涼香のマンションから出た所で、門限破りだと説教が始まった葛城に、私は大きな声でまくしたてた。
側で立っていた涼香も、普段怒らない私が怒っているからびっくりしていた。
「涼香、部屋に戻って。私なら大丈夫だから」
「でも…」
「お願い…」
私を気にしながらも、涼香は何かあったら言ってと私と葛城を置いて部屋に戻って行った。
二人きりになった私は続けた。
葛城は、私がそこまで反論するとは思っていなかったようで、驚いて目を見開いていた。
言葉の出ない葛城に私は続けた。
「葛城、あなたは優秀な執事かもしれないけど、人の心までは考えられないようね。美玲や涼香は私の大事な親友なの。部屋に一緒に来なかったから、少しは私の気持ちを分かってくれたのかと思ったけど、それは勘違いだったみたいね。やっぱりあなたは、何も分かってないわ」
何も分かってない…
ただの執事。
それが現実なんだ。
私は動けなくなっている葛城の横を通り抜けた。
「あ…、有里華お嬢様…車はこちらですっ…」
葛城は慌てて私の腕を掴んだ。
私が停めている車とは違う方向に歩いて行ったから。
「離してっ、タクシーで帰るから」
「っ、ダメです。車に乗って下さい!」
「いやっ!離してっ!」
掴まれていた腕を振り払った私は、走ってきたタクシーを止め、乗り込んだ。
「有里華お嬢様!」
「田園調布まで、お願い」
閉まったドアの前で、肩を落とした葛城が何か言いたげに立っていた。
涼香のマンションから出た所で、門限破りだと説教が始まった葛城に、私は大きな声でまくしたてた。
側で立っていた涼香も、普段怒らない私が怒っているからびっくりしていた。
「涼香、部屋に戻って。私なら大丈夫だから」
「でも…」
「お願い…」
私を気にしながらも、涼香は何かあったら言ってと私と葛城を置いて部屋に戻って行った。
二人きりになった私は続けた。
葛城は、私がそこまで反論するとは思っていなかったようで、驚いて目を見開いていた。
言葉の出ない葛城に私は続けた。
「葛城、あなたは優秀な執事かもしれないけど、人の心までは考えられないようね。美玲や涼香は私の大事な親友なの。部屋に一緒に来なかったから、少しは私の気持ちを分かってくれたのかと思ったけど、それは勘違いだったみたいね。やっぱりあなたは、何も分かってないわ」
何も分かってない…
ただの執事。
それが現実なんだ。
私は動けなくなっている葛城の横を通り抜けた。
「あ…、有里華お嬢様…車はこちらですっ…」
葛城は慌てて私の腕を掴んだ。
私が停めている車とは違う方向に歩いて行ったから。
「離してっ、タクシーで帰るから」
「っ、ダメです。車に乗って下さい!」
「いやっ!離してっ!」
掴まれていた腕を振り払った私は、走ってきたタクシーを止め、乗り込んだ。
「有里華お嬢様!」
「田園調布まで、お願い」
閉まったドアの前で、肩を落とした葛城が何か言いたげに立っていた。