once again〜season2〜
タクシーで家に帰っていると、携帯に電話がかかってきた。

「もしもし…」

「夜分遅くすみません。有里華さん、少し話したい事があって…」

「…達也さん…っ」

「え?もしもし?何かあったんですか?有里華さん?」

張っていた気が抜けたのか、達也さんの声を聞いた私は人前だと、言うのに泣いてしまっていた。



「すみません…泣いてしまって…」

「何かあったんですか?」

「あ、ちょっと…」

少し話をしようと達也さんは、私の家の近くにあるカフェで、お茶をしようと誘ってくれた。
帰って葛城の顔を見るのも嫌だった私は、達也さんの好意に甘えた。

そして、今日の出来事を話た。

「好きな人だからこそ、分かって欲しかったんだね?」

「八つ当たりよね。葛城にしたら当たり前の事を言っただけなのに。

達也さんにはどうしてか素直になれた。
同じような立場だからこそ、分かり合えるものがあった。

「有里華さん。自分に正直になってみたら?俺みたいにさ」

「え?いや…それは」

「俺もダメ元で告白したんだよ?もしかしたら、辞められるかもしれないって思ったけど。好きな人の事を隠したくなくてさ」

「出来るでしょうか…」

「このまま、何も言えないまま終わってもいいの?後悔するのは自分だよ?」

後悔するのは自分…
達也さんに言われた言葉が頭の中を駆け巡った。
< 235 / 260 >

この作品をシェア

pagetop