once again〜season2〜
「有里華さん…自分に正直になってみて?」

「達也さん、出来るでしょうか?私に…」

「出来るよ。俺に自分の正直な気持ち言えたんだから。勇気出して」

それから1時間ほど話をしてから、達也さんに送られて私は家に帰った。

「今日はありがとうございました」

「何かあったらまた言って?俺でよかったらいつでも話は聞く…っ」

「こんな遅くまで何を!」

車から降りて門の前で話していると、いきなり葛城が達也さんの胸ぐらを掴んだ。

「きゃっ、葛城!何やってるの!手を離しなさい」

「話があるから会ってただけじゃないですか。私は有里華さんの婚約者だと前にも話しましたよね?」

この状況を楽しんでいるのか、達也さんは顔色ひとつ変えず、葛城に婚約者である事を強調して話していた。
真横で私は、ハラハラしながらそれを見ていた。

いつも冷静な葛城が、顔を真っ赤にしていた。

「その手を離してもら得ませんか?」

「葛城!あなた何やってるの!あなたの立場でそんな事をしたらどうなるか分かるでしょ!」

私が言った言葉で、我に返ったのか、葛城は掴んでいた手を緩めた。

「私があなたをクビにする事は簡単な事なんですよ?立場分かってますか?」

達也さんは、掴まれていた胸元を正すと、静かに言った。

「お互い…正直にならないと、後悔しますよ?」

「っな…」

「それじゃ。有里華さん、また連絡しますね」

「えっ、は、はい」

返事をすると、達也さんは車に乗って帰って行った。
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