once again〜season2〜
くすぐったい。

肩の上で休憩する慎二さんを見ながら、気になることが頭を過った。

「ね、慎二さん…ど、どうしてここの部屋なの?」

「ん?あぁ…それは…」

肩から顔を上げた慎二さんは、どうしてこの部屋に私を運んだのか、話してくれた。

「有里華にキスしたら‥有里華、気失ったんだよ。部屋でもよかったんだけど…な、旦那様の目があると思うと…返したくなくて…ここに運んだ。で、旦那様には高瀬様の部屋に泊まったと伝えたんだ。美玲様だと、すぐバレそうだったんで…」

いつも厳しい慎二さんがそんな風に気を使うなんて。
涼香にちゃんと口裏合わせてもらわなきゃ…でも、なんて言ったらいい?

「有里華…」

「えっ?」

名前を呼ばれ、顔を上げると慎二さんは、私の頭の後ろに手をやり強引に唇を重ねてきた。 

「っ…」

さっきのとは違う、性急な口付けに戸惑いながらも、私は受け入れた。



慎二さん…

私は掴んだこの手を離したくない…
そう心に強く思った。
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