once again〜season2〜
「有里華、達也君とはどうなってるんだね」

ガチャ…

「え?」

慎二さんとの進展があってから数日後、いきなり父から達也さんとはどうなってるのか、と食事中に話を振られた。

思ってもみなかった言葉に、明らかに動揺した私は返事に困っていた。

「ん?どうしたんだね?」

「有里華?どうしたの?」

父に加え、隣で一緒に朝食を食べていた母も、私が黙ってしまったので、心配そうに私の顔を覗きこんだ。

「あ、あの…」

普通に上手くやっていると言えばいいのに、両親に嘘なんてつき慣れていない私は言葉に詰まってしまった。

「旦那様」

「ん?どうした、葛城」

「香田様とのお付き合いは順調でございます。有里華お嬢様も恥ずかしいのでしょう、ご自分の口からはなかなか言えないのかと」

「あ、…」

私の横に立ったかと思えば、慎二さんはしれっと父に嘘をついた。
あんな涼しい顔でよく言えるわね…

「そうですよね?お嬢様?」

「あ、えぇ。そ、そうなの、お父様。達也さんと上手くいってるわ」

「そうか、葛城が言うなら本物だな。今度、達也君を家に招待しないたな、な?お前」

「えぇ、そうですね。あなた。有里華もいい人と巡り合えてよかったですわ」

両親に嘘をついているだけで、自分の中では心臓が出そうなくらいドキドキしているのに、慎二さんは涼しい顔で両親と話をしていた。

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