once again〜season2〜
「まだ、怒ってるのか?」

「んもぅ!怒るに決まってるでしょ!よくもお父様にあんな事言えたわね!」

怒ってるのか?なんて、分かってるくせに、怒るなよなんて。

「あそこで、躓く訳にはいかないだろう?香田様だって、まだ話出来てないんだろ?隠し通さないとお互いの為にも」

慎二さんが言ってる事は理解は出来たけれど、心のどこかで、納得いかないものが渦巻いていた。

慎二さんは、起こり続ける私の頭をポンポンと撫でると、部屋の鍵を後ろ手に閉めた。
そして、私を抱きしめてくれた。

「俺だって、嘘はつきたくないよ。有里華と付き合ってるのは自分だと言いたい。だけど、それが出来ないと言うことも分かってくれ…分かるよな?」

優しく耳元で囁く慎二さんに私は、胸に顔を埋めながら頷いた。

わがままな私でごめんなさい。

あれもこれも、なんてわがままだね、私。

静かな時間が過ぎていった。
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