once again〜season2〜
お父様に慎二さんとの仲を許してもらって数日経ったある日、慎二さんに私はある場所に連れて行かれた。

「ここ、覚えてるか？」

「えっ？」

覚えてるか？と言われて連れていかれたのは、郊外にある大きな公園だった。
昼間だと、子供連れの家族で賑わっているであろう、その場所は夜ということもあり、ひっそりとしていた。

うっすらと見覚えのあるその公園の中を、私の手を握り引っ張って歩いていく慎二さんについて行った。

「ここって…」

「まだ有里華は小さかったから覚えてないか」

噴水のある所で立ち止まると慎二さんは私の方を振り向いた。

戸惑う私に、ニコッと微笑むと慎二さんは話し出した。

「ここは、俺が初めて有里華と会った場所だよ」

「っ、あっ…」

そう、そうだ。
慎二さんに言われて私は、幼い頃の記憶が少しずつ蘇っていた。
あれは、私がまだ幼稚園に通う前で、遊びに行きたいって駄々をこねて、父に初めて連れて行ってもらった公園で、父の執事だった葛城さん…そう慎二さんのお父様と遊びに来ていた慎二さんとたまたま出会った。

「あの時はさ…」

私が思い出したのが分かったのか、慎二さんは話を続けた。

「あの時は、滅多に一緒になんて出かけないのに、俺を連れて公園に親父が連れて行ったんだよ。まさか旦那様が同じ公園にいるなんてな。慌ててる親父の顔、今でも覚えてるよ…っ」

その時の事を思い出したのか、慎二さんは笑っていた。そして目を細めて私見た。

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