once again〜season2〜
兄から連絡が来たのは、それからすぐだった。
園田さんからも、今日辺り連絡するはずです、と教えてもらっていたから、私も蓮さんも心の準備はしていたけれど、兄の緊張感漂う電話に、この話がやっぱり本当なんだ、と思い知らされてしまった。

「悪いな…家になんか来たりして…、今日は蓮君はいないのか?」

「あ、うん。仕事持って帰ってきたから、室長と向こうで電話中なの。…兄さん、話って何?」

蓮さんは、自分がいない方が話がしやすいだろうから、と席を外してくれていた。

「そっか…、いてくれた方がいいんだけど、まぁいいか。涼香、お前に頼みがある」

そう言って、いきなり頭を下げた兄に私は今からする話の内容が分かっていながらも、驚いてしまった。
兄は、私の制止も聞かず、頭を下げたまま話を続けた。

「悪いとは思っている。俺のワガママだと思ってる。でも、これだけは譲れないんだ。SEIWADOを涼香に任せたいんだ」
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