once again〜season2〜
「…っ、蓮君…、すまない。こんな事になって…」
「いえ、涼香にSEIWADOを任せたいと言うなら、ちゃんとした理由を言って下さい。これじゃ、涼香も私も納得出来ない」
蓮さんは最初、話には入らないと言っていたんだけれど、兄が経営を任せたいと言った事が引っかかったみたいだった。
園田さんが言ったように、SEIWADOから手を引こうとしているのでは?と考えているみたいだった。
私も兄の様子を感じ取っていた。
ただの社長代行をしてもらおうとしているのではないと、医師に戻ろうとしていると。
兄が重い口を開いた。
「夏帆から連絡があったんだ。病院を助けてほしいって。お父さんの病院を継いだけれど、経営が上手くいってないと、このままじゃ潰れてしまうと。医師もいなくなってしまって大変だと…」
「兄さんじゃなくてもいいんじゃないの?兄さん、今はSEIWADOの社長なのよ?夏帆さんは知ってるんでしょう?」
「夏帆は俺が医者辞めたのを知らなかったんだ。SEIWADOにいる事を知ってたら、俺に頼む訳がないだろう!俺が助けたいんだ、あの時出来なかった事をやってやりたいんだ」
「お義兄さん…、それは完全にSEIWADOから手を引くと言う事ですか…?」