once again〜season2〜
「ね、涼香。大丈夫なの?兄さんの様子が最近おかしいんだけど?」

モデルの仕事を少しずつ減らしてきている瑠璃が、会社に顔を出して兄さんの事を聞いてきた。

瑠璃の耳にも入ったのか…
早いな。

「なんで?何か聞いたの?兄さんに」

「ううん。天城から聞いたの。SEIWADOの社長の噂が出てるよ、って。だなら、カマかけて聞いたんだけど、ごまかされたから、何かあるんだろうなぁ、って思っただけなんだけど」

瑠璃に言える訳ないよね。会社から手を引こうなんて考えてる事。
怜さんの事もあるし、瑠璃の耳にも入れようかな、もしかしたら別な案があるかもしれないし…

「瑠璃…お父さんには内緒に出来る?」

もちろん!と言った瑠璃に私はここに数日あった事を話しした。
驚いて声を出ない瑠璃に、絶対お父さんには言わないでよ!と念押しをした。

「で、でもさ、お父さん。兄さんに会社継いでほしかったんでしょ?涼香がって言ったら怒るんじゃないの?」

「怒らないわよ。残念だって言うぐらいじゃない?」

瑠璃は父が怒るんじゃ?と言っていたけれど、そんな事じゃ父は怒らない。ただ、残念だと言うだけだと思う。

私が、どうしてあの時家を出たのか、それは…

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