once again〜season2〜
南條さんと別れた私と蓮さんは会社に向かった。

別れ際に南條さんから、蓮さんは何か耳打ちされているようだったけれど、蓮さんは顔を真っ赤にしていた。

私は、その姿が頭から離れないでいた。私には分からない、世界が二人にはあるんだと思ったら、心の中がざわついていた。

誰もが通る高校生の時の事を、言っても仕方がないと頭では思ってみても、二人の仲のいいところを見てしまうと、心が落ち着かないでいた。

「…涼香？」

「っ、え？あ、はい。ごめんなさい」

蓮さんに呼ばれていた事に気がつかず、ボーっとしていた私は肩を叩かれて驚いた。

「大丈夫か？さっきから…変だぞ？もしかして…南條の事」

「ごめんなさい。スケジュール確認してきます」

私は慌てて、その場から逃げた。

蓮さんは、何かを言おうとしていたけれど、その言葉を無視してしまった。
南條さんの事を言おうとしていたのかな？
今の私には、その話すら聞ける余裕はなかった。

ごめんなさい。


トイレで落ち着くまでいよう、そう思っていると、瑠璃から電話がかかってきた。

「涼香？大丈夫？」

「…大丈夫、何かあったの？」

「……大丈夫じゃないでしょ？双子なんだよ、なんか嫌な気がしたから電話したの。どうしたの？」

変な所で勘が鋭いんだな…微妙な私の異変に気がついたようだった。


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