once again〜season2〜
あの時、耳打ちしていたのは、誤解させるような事してると逃げられるわよ、と言われたらしい。あなたにはもったない人だから、涼香さんにいい人紹介してあげようか?とまで言われたらいしい。
蓮さんは、南條さんとは本当に友達以上の感情はなく、それは室長や陽さんも同じだと。女にしておくのがもったいないぐらいだって。疎遠になったのは、女だから彼氏が出来てたら相手に余計な心配をかけさせたくないから、とあえて距離を置いたらしい。

誰かが、言ってたっけ。
男と女の友情は成立しない、って。
蓮さんの話を聞いていると、そんな事はないんじゃないかなと思ってしまった。

そんな信頼し合える関係作りを、高校生の時に出来ていた蓮さん達が羨ましかった。

「信じてくれた?」

「え、あ、もう!蓮さん!」

「よかった…南條が、あなたにはもったいないって何度も言うから落ち込んだんだよ、これでも」

「そ、そうなの?」

「そうだよ。俺、涼香がいなかったら生きていけないよ」

「きゃ…」

そう言うと首筋に顔を埋め、力強く抱きしめられた。

蓮さん、ここ会社の廊下!と言おうとした唇を塞がれてしまっていた。
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