once again〜season2〜
「そうだな、南條はいつもあんな感じだったからな」


中原さんが、兄と夏帆さんと一緒に五十嵐総合病院に行くと、会社を出て行った。瑠璃も怜さんを連れて、病院について行った。

社長室に残された、私達は一息ついていた。

「じゃ、蓮。俺も部屋に戻るよ。なんかあったら呼んでくれ。涼香さん、後は頼みましたよ」

「はい、分かりました。いろいろとありがとうございました」

頭を下げると、室長は片手を上げてドアを開けて出て行った。

よかった…そう思った瞬間だった。

「涼香…これで安心して結婚してくれる?」

後ろから蓮さんに抱きしめられていた。

私は抱きしめてくれるその手に、自分の手を重ねた。

「蓮さん。誰が結婚しないって言いました?しつこいって言ったじゃないですか?」

耳元で囁くように、蓮さんが話を続けた。

「俺、本当はダメなんじゃないかと、思ってたんだ。涼香の事だから、SEIWADOを取るんじゃないかって。なんだかんだと言っても会社を守るだろうって」

私を抱きしめる手の力が強くなっていた。

「…そんな、確かにそう思った時もあったけど…」

「だろ?俺だって不安だったよ。幸せにするから…」

私の頬を涙が伝っていた。


< 82 / 260 >

この作品をシェア

pagetop