once again〜season2〜

フランスからの使者

「蓮、ちょっといいか?」

「ん?あぁいいぞ。何かあったのか?」

ルイがフランスから来週来ると分かって数日後、匠が社長室に真剣な表情でやってきた。

そして、涼香が俺の事を心配していると言ってきた。
ルイが来る事を、悩んでいるがどうしたらいいか、俺の過去はもう心配なんてしてないのにって。

「…で、匠はなんて答えたんだよ?」

「いや、俺は…その、な?あんまり言う訳にいかないから、何にもない29歳なんていないだろ、って」

何にもない29歳か。まぁそれしか言えないわな。

「ふっ、それで涼香は納得したのか?」

「まぁ、なんとなく理解したみたいだったけど、あれから涼香さんと話してないのか?」

「したよ。ちゃんとな、涼香から心配しないで、って。ただ過去にヤキモチぐらいは妬かせてよ、って言われたよ。南條の事があったから、俺もその辺の事が気になってたからな。ただ、涼香はその事を気にしてくれるだけで、それだけでいいってさ」

それを聞いた匠は安心したのか、安堵した表情を見せた。

「さすがだな」

「だろ?お前も木村がいるだろ?気をつけろよ。俺より、匠の方がそっちでは、派手だっただろ?」

図星だったのか、匠は慌てて頭を抱え出した。

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