once again〜season2〜
涼香が対応に驚いていたルイも、やられた、と言う顔を見せて、話を続けた。

「さすが、社長秘書だね。俺の腕から抜け出るなんて、あの時は出来なかっただろうけど」

「偶然ですよ、支社長。こちらです」

顔色ひとつ変えずに、涼香はルイを案内してエレベーターに乗せた。

それを見ていた匠が、こそっと喋ってきた。

「蓮、涼香さんやるじゃないか。支社長、驚いてたぞ」

「ん。あぁ。俺もびっくりしたよ。ルイが軽いのは初めて会った時に分かってるしな。涼香にしたら想定内かも」

匠と後ろでボソボソと喋っていると、ルイが振り返った。

「内緒話はダメだろ?もっとオープンに話しないと!」

「出来る訳ないでしょう!ルイ、何でもかんでも、オープンには出来ないって」

反論してみたけれど、ルイに通用する訳もなく、後で聞くからと釘を刺されてしまった。

それを見ていた涼香に笑われてしまった。

「ほんと、蓮さんは、支社長には弱いんですね。兄弟みたい」

「おー!涼香さんもそう思う?嬉しいね!」

そう言って、また涼香に抱きつこうとしたルイだったが、涼香に拒まれてしまい落ち込んでしまった。

「申し訳ありません。必要以外のハグはなしで、お願いします」
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