不良な彼と恋の契約
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*斗真side*

「なあ、さっき見たかよ。
あの、ヒカリがめちゃくちゃ清楚になっててマジビビるわ!
つか、タイプ!」


待合室で待つ俺は、仁と二人缶コーヒーを飲みながら類を待っていた。

男子高校生が二人。
いかにも、遊んでそうな奴らの会話が聞こえてーー聞きたくないのに聞こえる。

「あの、ヒカリがあんなんなるってイメチェン?
それとも失恋だったりしてな。
ヒカリって言えば、相沢類大好きだったじゃん」

相沢類ってーーーー。

同居してる類だよな。

一瞬、同性同名を疑った。


「まあ、なんであれ。
俺、ずっとヒカリ好きだったからさあ。
チャンス到来‼︎

誰にも、渡さねーよ?」


ヒカリーー。


最近よく聞く名前に、眉を寄せた。









「ってことなんだけどー、俺が言ってるヒカリちゃんと、類の知ってるヒカリちゃんはーーーー


一緒かもしれない。


どうすんの?」


きっと類はーーーーーーーー。


「なんで、そんなん聞く訳?」

.「いいの?

ヒカリちゃんを、好きな人いるんだよ?
ヒカリちゃん、取られてもいいの?」


ライバルが減るとか、そんなん考えてない。

ただ類がーーーー




泣きそうだから。





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