不良な彼と恋の契約
「もしかして、仁?」


俺が聞いたら、赤い頰をして頷く想ちゃんにイライラした。


ついーー想ちゃんをソファに押し倒して泣かせてしまった。


ずっと好きだった想ちゃん。

ずっと、こうなることを望んでいた。

付き合ってキスをして、指を絡めて笑い合いたい。

なのにーー泣かしてる。

想ちゃんを、泣かしてるーーーー。

あの時……


「お前が来なきゃ、俺は想ちゃんを傷つけてた。

だから、感謝してる。

だから、幸せにしてあげてっ」




バタンっーー


ドア、壊れるって。

ドアが壊れる勢いで、出て行く仁。

想ちゃん、幸せにーー。



「さて、パーティの買い物に行くかな!」



俺は立ち上がり、財布とスマホを持って下へ行く。



「あれ?
何してんの?
想ちゃんはーー?」


リビングに、いる筈の想ちゃんはいない。
仁の手元の紙を見た。
少し、手が震えてるーー。

仁?



"家族に会いに行きますーー"




家族に会いにーー?


まさかーー。


「俺、探しにーー「仁!!裏の丘にきっといるから」

家族の墓がある裏の丘にーー。

きっといる。

*斗真side終わり*


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