不良な彼と恋の契約
パーティの準備は、俺抜きで始まった。

「なんか、手伝う?」


「いや、マジいいよ」

気を利かせて言えば、斗真にはあしらわれーー

「なあ、なんかすることない?」


「壊滅的な料理を食えと?勘弁してっ」

類には、ひどいことを言われるし。

俺以外はーー





「わあ!!ヒカリすげーじゃん!」



本郷は、丸いケーキを手作りしてるし。

「ケーキ焼いてみたよー!!」

あの、本郷でさえーー

役に立ってるのにーー。

俺は、、ソファで寛いでいた。


たった一人でーー正直、やることがない。

俺は想をちらっと見た。

部屋着に着替えて、病み上がりな想は一人でいる俺の横に来た。


「大丈夫だよっ。
私もやらせて貰えないしっ」

そりゃ、病み上がりの想に手伝えなんて言わないだろう。

まるで、わかっているみたいにーー想は優しさをくれる。

「想は、優しいなっ」



側に居て笑ってくれるだけで、
こんなに幸せなのはーー。

予想外だった。

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