不良な彼と恋の契約
「いいのか?最後の一つだったんだろう?
美味しいけどっ」

佐伯くんは、そう気にするけど。
私はねーー

「誰かの喜ぶ顔が、見たいからっ。

それでいいのっ」


"誰かの喜ぶ顔が、見たいからっ"ーー


誰か、、誰の?



「想ちゃん、、どうした?
なんか、泣きそうな顔してるよ」


あ、いけない。

思い出しちゃうーー。

「なんでもないよ、大丈夫ーー、大丈夫ーー。」


言葉には、魔法がある。

大丈夫、と思えば大丈夫なんだと。

私はいつも、乗り越えて来た。
あの日もーーーー。



「想ちゃん?想ちゃんって一人暮らし?」

いきなり聞かれたそれに、面食らう私。

「うん、一人」
正確には、一人になって半年だ。

「実は、、一緒に住めないかな!って思って。
実は、最近ガスや水道壊れちゃってさあ。
直るまで、なんてダメかな?」

つまり、同居?
けど、、私は寂しかったんだ。

「いいよ」


迷いなんか、なかった。



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