不良な彼と恋の契約
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恨みなんか無かった。

本当は大好きだった。
だけどーー。


「何?」

放課後。
好きな人が、目の前にいて手紙を差し出すなんて、夢の様だった。


「これーーっ」


心が弾んだ。

だけどーー。

「これ、想ちゃんに渡してくんない?俺ずっと前から好きだったんだ」


一瞬で、心が砕けた瞬間だった。

「もしかして、期待した?
悪いね、まあ、いいや。
ちゃんと渡しておいてね!」

期待したよ。
好きな人が、手紙を差し出すなんてーー。

きっと、、誰もが夢見ることだよ。

なのにーーーー、好きな人には好きな人がいた。

「あ、いたいたリナちゃん帰ろうっ」

教室に入ってきた想。

何も知らない想。

私の手の中で、クシャクシャになった手紙。
"絶対に、渡さない。
渡したくない"ーーー。


だけどね、、まさか渡さないことであんなことがあるなんて。


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