不良な彼と恋の契約
「想っーーーーっ」


君の声が聞こえる。




不意に涙を拭うその指が、違う人の指だった。



「なんで、関係ないお前が泣くんだよ。
本当、バカだっ」


悪態をつきながら、輝さんが、私を抱きしめた。

急なことに、ついてかない頭。

「バカじゃないですっ。
意地悪しないで下さいっ。
大丈夫、いつかユリさんが生まれ変わってまた輝さんに出会います。

そしたら、ハッピーエンドですよっ」




元気づけてあげただけ。
それで、笑ってくれなら良かったなんて、思っただけ。




目を見開いた輝さんは、私の瞳を見つめた。




「お前、、













俺の女になれよ!」















えっーーー?








聞き間違い?言い間違い?
私の耳が、おかしいのか。
「すいません、軽い幻聴が。
もう一回お願いします!」



「おい、人の告白を無かったことにすんじゃねーよ。だから、俺の女になれって言ってんだよ。

幻聴とか、失礼だなっ」



今のは、確実に聞こえました。
軽い目眩を感じ、ふらついてると、フワリと抱きしめられた。
その温もりは、知ってる人の温もり。

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