不良な彼と恋の契約
パクっ。

「これ食べないの?」
本郷が、サクランボの一つを食べていた。

種だけになった俺だ。

枝にはちゃんともう一つサクランボがある。
どうせなら、みんな食べてくれればいいのに。

「なんか、言いたそうねっ。
どうすんの?大事なお姫様取られそうだけどっ」

あー、まさに悪友に取られそうだよ。

「否定する気もないな。
だけど簡単にはやれない」

後から横に来たやつに奪われたくない。

「協力してあげようか?」

一つになったサクランボを掲げて笑う本郷。

「ヒカリ、顔が悪そうだ」

類が苦笑いしてる。

「あー、そうだな。
番長がいりゃ百人力だ」

「あんたが一番悪そうよ?」

ニヤリ、と笑いサクランボを腹の中におさめた。


*仁side終わり*


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