不良な彼と恋の契約
「おーい、輝っ。
想ちゃん大丈夫?」

聞いたことのある声に振り向いたら、、真一さん。


フェンスの下にいる。
さすがに登れないらしい。

「あー、大丈夫だ。
コイツの始末任せるわ!」

始末ーー。。
先輩の行く末を少しだけ見守った。

「大丈夫だよ、想ちゃん。
俺優しいから、、
行こうか君っ」

確かに優しい笑顔なんだけど、なんだか真一さんが怖い気がする。

ポケットに入っていた黒い何かが、、落ちた。

双眼鏡?


え、もしかしてーーさっきの光は。

「輝くんっ、もしかしてずっと見てた?」



輝くんは、図星なのかほのかに赤い頰。

「心配だったんだよ。
悪いかっ」


ぶっきらぼうだけど、優しくてーー。

「ありがとう、輝くんっ」



私は素直にお礼を言った。


ガサッーーーー。


「想っ、本郷から聞いて。
大丈夫か?」


焦ったように息を切らして来た仁くん。
だけど、その動きは止まった。


「何してたんだよ。
想ーー危なかったんだ。
お前彼氏だろうが、守れねーのかよ。
なあ、仁。






想っ、俺に託せよ」




輝くんっーー。

彼は私を見つめた。


< 211 / 455 >

この作品をシェア

pagetop