不良な彼と恋の契約
フェンスを見る仁。

「お前っ、ここ飛び超えたの?」

まあ、確かに高いけどーーーー。


「ああ、だって校門回ってたら間に合わないしな」

つか、仁だってこれぐらい飛べるだろうが。


「あー居た居た。
あれ、仁も居たの?
凄かったんだよ。
こんな高いフェンスよじ登って乗り越えるとか愛だね、愛!」

側にあの男は居なかった。

「アイツは?」

思わず聞いたよ。
ふふん、とニヤリと笑う真一。


「真一さん、先輩は大丈夫ですか?」

なんで、あんな奴心配するんだよ。
まあ、想ならではの優しさなんだろうけど。


「うん、優しくお話したから大丈夫だよっ」


絶対、優しくないだろうお前。
言わないけどーー。

たぶん、俺なんかよりーー黒いよ真一は。

「話戻すけど、なんで居なかったんだよ。
体育も居なかったよなっ」

「俺が授業真面目にするかよ」

なんだそれ。
そうかもだけど、その合間にこうなったんだ。

俺は仁を、睨んだ。

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