不良な彼と恋の契約
「何してんだよ、あぶねーな」
少し不機嫌な男。
つか、その制服。

「志貴、お前その制服。
仁と同じじゃん、つかお前が制服着てんの初めて見たな」

仲間の志貴。
普段、学校で会うから勝手に同じ学校だと思ってたけどーー制服を着てるのさえ、見たことはない。

と、言うか今が初めてだ。

って言うか、想を抱きしめてる志貴にーー
「チッ」

思わず舌打ちをした。

「志貴っーー久しぶりだな」

志貴は何を言うわけでもない。
あまり口数が、多いわけでもない。


「あ、ありがとうございますっ。
ごめんなさいっ」

志貴の胸の中に未だにいる想の、頰がほんのり赤い。

身長の高い志貴が、見下ろす小さな想。

何故だか、ジッ、と想を見てる。


想は、恥ずかしそうに顔を逸らす。

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