不良な彼と恋の契約
「嫌だから、俺がいるからいーて「はい、これ。
俺の番号」

いつ、用意したのかノートの切れ端に書かれた携帯番号。

なんだか、随分用意がいいな。

キンコーンカーコン。

あ、本鈴。


遠くで鳴る本鈴の鐘。

「あっ、はい。

失礼します!着替えなきゃ」

バタバタと逃げる様に、走る小さな想。

後を追う様に仁が追いかけていく。
その後ろを追いかける様に、志貴が見ていた。


感情の分からない目で見てる志貴。

本当、何考えてるか分からない奴。


「なあ、本当に想ちゃん守るんだよね。
志貴、女の子嫌いなのに珍しいね!」

復活した真一は、ニヤリと笑っている。






「ああ、ずっと会いたかったからーー」









はあ?
会いたかった?


俺は、志貴を見た。


何を言えば良かったのかーー分からない。



「名前だけが、ずっと一人歩きしてたから。
どんな子かーー会って見たかったんだ」


そう、愛しいモノの様にーー語る志貴に


戸惑う俺がいた。

*輝side終わり*
< 218 / 455 >

この作品をシェア

pagetop