不良な彼と恋の契約
迎えた土曜日。
天気は晴れ。

ヒカリちゃんに軽くメイクして貰い、可愛くなった私を鏡で見て、驚いた朝。


玄関先で待つ二人に、私達は笑顔になった。

なんたって、初めてのデートだ。
嬉しくない訳ない。

「おはよ、類。
楽しみだね!」

ヒカリちゃんは、相沢くんの腕に手を絡ませた。

大胆なヒカリちゃんが、少しだけ羨ましい。

私には、真似できないし。

「おはよう、仁くんっ。
楽しみですっ」

私は、仁くんの胸に飛び込んだ。
広い胸。
全てを受け止めてくれる優しい腕に、その身を預けた。


「「………」」

あれ?反応がないんだけど。

私達は顔を見合わせた。


少しだけ、不安。
鏡で見た私は完璧だった。

だけどメイクも、服装も好みじゃない言われたらそこで終わりだ。


「可愛いよ。
なんか、恥ずかしいなマジ」

赤い顔の、仁くん。

そんな顔されたら、キュン、としちゃうよ。

ヒカリちゃんを見たら、何を言われたのかヒカリちゃんも、顔が真っ赤だ。

だけどきっと嬉しいことに違いない。

私達は恋人繋ぎでーー路地を歩いた。

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