不良な彼と恋の契約
*志貴side*

完璧迷った。

仲間の輝と、真一と新しくできたショッピングモール にきたのは、まあいいけど。
マジ、広すぎだし。
喫煙ルームで、向かった自販機の近くーー


「いやぁ、離して!」

女の子が、チャラい不良に絡まれていた。

一瞬めんどいって思ったけど、女の子は泣いていた。



「あれ、あの子っ」

班決めの時に、居た子だって気づいた。
たしか、片瀬リナ。


性格は、大人しめ。
嫌がる女に、不良は楽しむかの様に抱き締めていた。


想以外には、興味がない。
だけど泣いてる女を、放ってはおけない。


無理矢理、彼女を引き寄せ胸に治めた。
案の定、彼女は驚いた様に見上げた。
見上げた瞳から、流れ落ちる涙がーー
余りにも、綺麗で儚くて柄にもなく抱き締めた。


さらに、不良は引かない。

絶対に自分が、言わなそうな言葉。


人の女なんて、絶対言わない筈なのに調子が狂う。


だって君が、俺を離さず震えて泣くから。


さらに、離れてく君がーー笑った。
笑ったんだ。

花が咲いたみたいに、パッ、と笑い不覚にもドキドキした。


それだけは、事実だから。


「ありがとうっ、志貴くんっ」


ドキッーー。

今の気持ちがわからない。

「私、帰りますね。

旅行、楽しみ。
仲良くしてくださいねっ」


やばい俺。

想が好きなのにーーーー

彼女にドキドキする。


片瀬リナ。


君にーーーー。




*志貴side終わり*


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