不良な彼と恋の契約
泣きたい気持ちを抑え、連れて来られた裏校舎。
誰もいない。

快晴で、天気はいいのにーー私の気持ちはどんよりだった。


「あんたさ、ヒカリの事といい、調子に乗りすぎ!
いっとくけどあんた、合わないんだよ。

想ちゃんも可愛いし、似合わないんだよ。
あの中じゃあんた、浮いてるから!!」

痛いーー。

何か、された訳じゃ無いのにーー。

痛い。


「そう、何今度は志貴様?
志貴様はね、めちゃくちゃクールでかっこいいの。
だいたい志貴様は、想ちゃんが好きなのに
何、デートしてんだよ。

しかも、抱き締めるとか、何様!?」

違うのにーー。

あれは、違うのに。

「一人で買い物に行っただけで志貴くんには、たまたま絡まれてたのを、助けてもらっただけ!!
デートなんて、してない!!」


一人で買い物に行ったのだって事実。
絡まれてたのを助けてもらったのも、事実。


「嘘ばっか、何?
自分は、ナンパされてモテますってアピールですか?あはっ、あはははっ!
まじ、うざい。
あんた消えてよ!!」


ドンっーー


壁に突き飛ばされた肩が痛い。


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