不良な彼と恋の契約
「もし、あんたらが男にやられそうになってたら、あんただって怖いろ」


「志貴様なら私はむしろ、嬉しいです!」

恥ずかしそうに、身体をクネクネした女にため息をつく志貴くん。


「じゃあもし、顔がオラウータン、唇がたらこ口。
鼻がブタの鼻、小太りな男にやられそうになったらどうする?」

むしろ、想像したら恐ろしいほどだ。

こんな状況でも、志貴くんは私を抱き締めたまま離さない。



「それはーー気持ち悪いし怖いし絶対いや!!
あ、、」

彼女は気づいた様に声を上げた。


志貴くんが何を言いたいか、分かる。

「同じ女なら、気持ちわかりなよ。
一生、心に大きな傷が残るんだよーー」


志貴くんーー。


ギュッ、とさらに私を抱き締める志貴くんに、心が落ち着かない。



「ごめんなさいっ」


「謝らなくていいけど、もう二度とリナ傷つけんなよ。わかった?」

また、リナって呼び捨て。


言葉は優しいけど、彼女達を見据えた冷たい目。

志貴くんの横顔が、凛々しくてーー
キュン、としたのは言わない。
だって、想が好きな筈だから。

*リナside終わり*

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