不良な彼と恋の契約
俺は話した。
男に絡まれていたリナを助けたこと。

野郎二人にやられそうになっているリナを、
助けたこと。


「俺、こないだまで想好きだったんだ。
なのに、リナが気になるとかーー
俺、チャラくない?」

正直、戸惑っている。

「なんだよ、お前相変わらず真面目だな。
そんなんどう考えてたって、答え見えてんじゃん」

答えーー?

分からない。
行き着かない答え。
分からないから、わざわざ学校まで来たんだ。

「班決めの時、隣の男子達数人がリナちゃんいいなぁって言ってたし」





「あ?
誰そいつーー「そう、それだよ!」


真一が、ニヤリ、と笑った。



は?

「それ、ヤキモチだろ?
もう答え出てんじゃん!!
志貴って意外に鈍感だよな。

誰にも触られたくない。
誰にも渡したくない。

誰かが、リナちゃんを好きに思うのは嫌。







そう言うのーー"好き"って言うんだよ」





好きーー?


リナが、男にやられそうになっていた姿に
無性に腹が立った。

気づいたら殴ってた。

保健室ーー。

行かないで、って泣いてたリナを抱き締めた。


なのに、突き放したのは俺だ。


「まあ、さあーー旅行の合間になんかあるかも知れないからな。

同じ班で良かったな!!」

輝が励ますように肩を叩いた。


まだ、後ーー、一か月もある。

旅行までに、答えが出せるか不安があった。

*志貴side終わり*

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