不良な彼と恋の契約
ヒカリの声。
なんだか、久しぶりに聞いた。

ヒカリの声に、泣きそうになった。


もう、海どころじゃない、、
海岸には、人はいたけどーー
人を掻き分けて、ヒカリを探した。



「おー、相沢。
お前らの班、どうなってんだ?
単独行動はーーー「先生、今それどころじゃないから。ヒカリ探してんの!!」

先生の、言葉なんか耳に入らない。

こう言っちゃ、なんだけどーー
元を辿ればコイツのせいなんだよ。

コイツが、部屋を一緒にするから。



「本郷って、あそこにいるじゃん。
つか、あそこ落ちたらヤバイぞっ」


あそこ?



海岸。


たくさんのゴツゴツした岩。

そのすぐ真下には、深い海が広がる。

俺は、走った。


「ヒカリ!!」









不意に、ヒカリが振り向いた。



長い黒い髪が揺れた。



白い肌に、白い頰にーー海のしずく。


いや、ヒカリの涙だ。


「類っ」




君に出会ったーー。


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