不良な彼と恋の契約
「類っーー来てくれたっ。
私ーーっ、真一にーー真一にね」


ヒカリが泣いてる。

俺だって、ヒカリが何されたかなんて気になるし知りたいけどーー知ったら知ったらヤキモチ妬くだろうし。


「いいんだよ、気にしなくていい!!
だから危ないから、こっち来いよ!」


あんな崖のすぐ側で、落ちたらーー大変なことになる。


いくら、そんなに高くなく場所でもーー海の深さはきっと、、底知れない。

足を滑らしたら、終わり。





「いた!!!ヒカリちゃんっ!
きゃっ」

えっーーー?


"崖は、滑るから危ないからこっち来いよ"


そうだよ。

滑るからーー危ないんだよ。

想ちゃんが、滑ったのは崖のすぐ側。

「想!!」

仁が、掴もうとした腕は、空に消えた。



バシャン。


派手な海の音。

「想ーー?
嘘でしょ?」


「仁っ!!」

続くように飛び込んだ仁。




もう一つの人影が、海に飛び込んだのが見えた。



「想っ!!!「ダメだ、大丈夫だからっ!」

俺は今すぐ海に飛び込みそうな、ヒカリを抱き締めた。



大人しくなるヒカリ。

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