不良な彼と恋の契約
ポチャン。

湯が少し跳ねたのは、君が入ったから。

白い濁った湯で、少しだけ安心。
君が、そばにいる。
「仁くん、恥ずかしいっ」
恥ずかしいのは、俺もだよ。
湯が濁ってて、良かった。
見えなくて、良かった。
湯気が、白くて、良かった。

「いい湯だな」

これしかいいようがない。
振り向けない。

「なんでこっちみないの?」

見れないよ。
つか、見たらやばいかも。
理性がーー。

「いや、見れないよ。
理性が」


つい、本音が。




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