不良な彼と恋の契約
「いい湯だね〜!!
潮の香りがする」

やけにはしゃぐ想に、違和感を抱いた。


「想?

どうした?」

何が、なんてわからない。

ただーー直感。


「だって、しゃべってないとーードキドキして死んじゃいそうなのっ」


少し、赤い頰。
濡れた肌。

潤んだ瞳。


ダメだ。

「んっ、仁くんっ!」


君を抱きしめキスをした。
ピシャン、と跳ねる湯に構ってはいられない。

重ねる唇。
少しだけ震えた肩に、気づき君を離したらーー


泣いてる想がいた。



「ごめん、悪かった。
えっと、泣かせるつもりとかーーっ「違う。突然だったからビックリしてっ。嫌いだからとか、嫌とかじゃないよ!」


そう、呟いてーー俺に寄り添う君を、優しく抱きしめた。


大切にしたい。

何よりも、大切な人。

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